2015/10/27

ランドリーと秋桜と眠れぬ灰色時間。

いつかのコインランドリー
自分のものではない洗濯物を回しながら 待ち合いの椅子に座る
あの日は寒い乾燥した冬の日だったけど 外は日差しが強く
太陽の陽が 窓越しに私の背中を差して
窓に貼られた"LAUNDRY"のロゴが影を落とし
黒いスカートから出た 80デニールのバーガンディに映った
それを見ながら一時間が あの時 何故待てたのだろう


いつかのコインランドリー
タイマーが終わりを告げ 丸い窓から洗濯物を取り出す
カゴいっぱいになった洗濯物を 一枚一枚取り出しながらたたむ
隣に居たおじいさん その人もまた一枚一枚丁寧にたたむ
他所様の洗濯物を盗み見したわけではないが 視線の先に小さな花柄のブラウス
きっとおじいさんの奥様 おばあさんのものだろう
あったかい様な ほんのちょっぴり切ない様な そんな気持ちになった


いつかのコインランドリー
静かな深夜のランドリー また かごいっぱいの洗濯物をたたんでいた
狭い店内に 私と ひとりの青年
彼はタイマーが終わるのを待っているらしく 壁際の細長い椅子に座っていた
何気にリズムを刻んだ 青年のスニーカーの底が鳴らす音は
スマートフォンから耳までを繋ぐ 白いコードが
私の頭の中で流れる音色とは 違う音色をお届けしていることを知らせた
私が4なら青年は16 例えるなら そんな感じだった
同じ狭い空間にも それぞれの音があるんだろう



いつかのコインランドリー
私は もう 何回行っているんだろう
そして 何時間 窓の中の回る洗濯物を見ていたんだろう
懲りずにきっと また行くんだろう


相変わらず 考えごとが好きなのか




10月23日 金曜日 高岡町
母と二人で 秋桜を見に行った


青い空と ピンクの秋桜 とっても綺麗
お母さん ありがとう


大好きな人から とっても素敵な本


"心が細くなった夜に"
「夜と朝の間が長くて灰色なのは、きっと秋のせいだよ」

そんな あったかいメッセージを添えて

心が細くなった夜には そんな優しさが染みて
何かを秋のせいにして 逃げ出せた そんな気さえした

今宵もまた 長い夜に お供

おやすみなさい どうぞ 素敵な夜を



2 件のコメント:

  1. 文才がある。
    書物を読んでる人なんだと言うのが解る。
    ヒューヒューです♪

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    1. ヒューヒューって(笑)
      いつも読んでくれてありがとう。
      嬉しい!

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